リンパ節炎の種類その2 治療方法が違うってホント? [リンパ節炎の種類・治療法]
前回は、化膿性リンパ節炎とウイルス性リンパ節炎についてお話ししましたが、
今回は、その他のリンパ節炎についてお話しします。
その他っていうと、なんだか大したことないように聞こえるかもしれませんが、
多くの人がなるリンパ節炎ではないというだけで、
ツライことには変わりありません。
① 細菌性リンパ節炎
名前のとおり細菌が原因のリンパ節炎になります。
原因となる主な細菌ですが、
ちょっと怖いなーと思う名前の細菌も並んでいますが・・・
黄色ブドウ球菌
化膿レンサ球菌
梅毒トレボネーマ(梅毒)
ブルセラ属菌(ブルセラ症)
ペスト菌(ペスト)
バルトネラ菌(猫ひっかき病)
野兎病菌(野兎病)
ビックリする名前の細菌もあるでしょ?
しかし、これらの感染経路は傷口などからですので、
手洗いや消毒をきちんとすることが、大事ですね。
例えば、猫ひっかき病なんていうのは、わかりやすい例のひとつです。
猫にひっかかれた場合、その時は大したことなくても、
きちんとすぐに洗浄・消毒をしなければいけないと言われています。
我が家にも猫がいますが、時間が経つと腫れるんですよ!
これはバルトネラ菌が原因です。
ですから、手洗いや消毒といったことは、
細菌性リンパ節炎を予防する意味でも、とても重要だと考えています。
また、細菌性リンパ節炎は酷くなると化膿性リンパ節炎になります。
治療方法は化膿性と同じく、抗生物質での治療になります。
しかし、猫ひっかき病が原因でリンパ節が腫れた場合は、
抗生物質はあまり効果がありません。
② 結核性リンパ節炎
現代では治る病気の結核ですが、できれば感染したくない細菌のひとつですね。
結核性リンパ節炎の症状は特徴があって、
うなじの辺り
顎周り
縦隔リンパ節 (左右の肺の中心あたり)
この3か所が腫れやすいと言われています。
だいたいは2~3cm程度の大きさですが、
痛みがない場合もあることから、リンパ節炎ではなく、
ほかの病気も心配になるかもしれません。
また、症状として深刻なのは、縦隔リンパ節の腫れが酷くなっていくと、
咳や痰などの症状のほかにも、急性無気肺といって、
呼吸困難や胸部圧迫感などの深刻な症状を引き起こす場合もあります。
ほかにも、気道が閉塞する閉塞性肺炎が起こると、
動悸や息切れなどが激しくなり、 体を動かすことに支障が出ることもあります。
結核性リンパ節炎は、細菌性のリンパ節炎とは違い、
抗生物質では効果は期待できません。
肺結核の治療と同じく、抗結核剤での治療がメインになります。
様々な抗結核剤を合わせながら治療していくことになるんですが、
半年~1年は薬の服用を続けなければいけません。
しかし、その間に結核性リンパ節炎の症状は良くなり、
健康そのものまで体調が回復するかもしれません。
そこで、大丈夫だろうと安易に薬の服用をやめてしまうと、
体内の結核菌が薬に耐性ができてしまう恐れがあり、
次回、結核菌が原因の病気になったとしても、
薬が効かなくなる可能性もあります。
なので、自己判断せずに、
必ずお医者さんの指示に従ってくださいね。
③ 亜急性壊死性リンパ節炎
私の友人がかかったこともあるリンパ節炎です。
亜急性壊死性リンパ節炎は、
別名『組織性壊死性リンパ節炎』 や『菊池病』とも言われています。
ほかのリンパ節炎は原因がハッキリしているのに対して、
亜急性壊死性リンパ節炎は、原因が不明です。
医療従事者であれば別ですが、原因不明と壊死という言葉で、
ものすごく大変な病気じゃないか?とか、治らないんじゃ?とか、
不安に思われるかもしれませんが、ちゃんと治ります!
ただ、症状はその他のリンパ節炎よりも辛く、
これといった治療薬もないことから、完治までには時間がかかります。
また、治ったと思ってもまた症状がでることもあり、
完治の目安は3ヶ月と言われていますが、それ以上かかることも珍しくありません。
なので、治らないからといって、深刻に受け止めないようにしてくださいね。
リンパ節炎の種類その1 治療方法が違うってホント? [リンパ節炎の種類・治療法]
もとは私も知らなかったのですが、
リンパ節炎って種類によって治療法が違うらしいです。
なので、あれ?○○さんのうちのコは○○って薬もらったのに、
どうしてうちのコは貰えないんだろう?
と、種類を知らないままだと不満に思うこともあるかもしれません。
お医者さんへの不信感は、治療に対しての積極性が減少してしまうので、
もし、それが勘違いだったとしたら、お子さんの為になりません!
私のわかる範囲で、種類別の一般的な治療法をご紹介しますので、
少しでも参考にしてもらえると嬉しいです。
① 化膿性リンパ節炎
名前の通り、腫れているリンパ節の部分が化膿し、
膿を出してしまう状態のリンパ節炎のことです。
化膿性リンパ節炎は細菌性で、ブドウ球菌や溶連菌などが起こすリンパ節炎です。
小さいお子さんがいる家庭なら、耳にしたことがある細菌名ですよね。
これらの菌がリンパ節にに入り、白血球との戦いに勝利してしまうと、
リンパ節の腫れがひどくなり、化膿してしまうんです。
また、化膿性リンパ節炎になってしまうと、熱が高くなる傾向があります。
子供は大人に比べて抵抗力が弱いので、
化膿性リンパ節炎になることも多いですが、
化膿性には抗生剤の投与が効果を表します。
もし、リンパ節の腫れが強く、食事などがとれない場合には、
点滴での栄養補給もあります。
② ウイルス性リンパ節炎
ウイルス性リンパ節炎も子供がかかる事が多いリンパ節炎のひとつです。
ウイルスの種類は
EBウイルス
サイトメガロウイルス
風疹や麻疹ウイルス
などが多いと言われています。
上記のウイルスも幼稚園や保育園ではよく聞くウイルスですよね。
一般的に化膿性などに比べると、症状は軽いと言われますが、
そのコそのコによって違いますので断言はできません。
そして、治療法はインフルエンザウイルスなどと違い、
対処療法しかないのが現状です。
我が子が苦しんでいるのに、対処療法しかないというのは、
親として切ない部分ではありますよね。
さらに、ウイルス性リンパ節炎の場合、EBウイルスによる、
伝染性単核球症にも気をつけなければいけません。
詳しくは下の記事を読んでみてください。
ちなみに、伝染性単核球症も対症療法しかありません。
子供ができてビックリしたことは、本当にいろいろな病気になるということです。
きっと、自分もそうだったんだろうと思うんですが、覚えてないですしねー。
また、次の機会にその他のリンパ節炎もお話ししようと思います。
【関連記事】
➜細菌性・結核性・亜急性壊死性リンパ節炎の症状と治療についてはコチラ
リンパ節炎?単核球症?気をつけなければいけない臓器 [リンパ節炎の症状]
息子がリンパ節炎と診断されたときに、
お医者さんの説明で一番ビビったことがあります。
それは、ある臓器にかかわることでした。
息子の場合、ウイルス性のリンパ節炎で、
のちにEBウイルスが悪さしていることが分かり、
『伝染性単核球症』という
小難しい名前の病名を頂きました(汗)
症状は、高熱・リンパ節の腫れ・喉の痛みなど、
そのほかのウイルス性のリンパ節炎と大差はありませんが、
ひとつだけ違ったのは、伝染性単核球症には重大な症状がありました。
『肝機能障害』 です。
肝機能障害と聞くと、肝硬変や肝炎などを想像してしまいますが、
伝染性単核球症の場合は、肝臓の腫れのことを指します。
この事実をお医者さんから聞いたとき、
内臓が腫れるってかなりヤバイんじゃ!?と、
若干テンパりました。心の中で。
カワイイ我が子の内臓が腫れてると聞いて、
冷静な気持ちでいられる人は、専門職でもない限り、
なかなかいないのではないかと思います。
そして、これが毎晩の腹痛の原因だったんです!
もう、この時の気持ちったら・・・・。
仮病って疑ってごめんよ~。息子。でした。
沈黙の臓器と言われる肝臓に症状が出ているなんて、
大丈夫なんだろうか?と、かなり心配になりましたが、
お医者さんが言うには、安静第一!ということでした。
しかし、4歳男児に安静と言われても、どの程度のことなのかわからず、
訪ねてみると、恐ろしい答えが返ってきました。
うちのコの場合ですが、安静の目安は
家でおとなしい遊び(走る・踊るなど厳禁)
戦いごっこ(全力で禁止)
という、息子にしてみれば厳しい制限です。
そして、熱が下がっても肝臓が落ち着くまでは登園できないと。
理由は、お友達がいると大人しくできないことと、
腹圧がかかって腫れている内臓が破裂することを防ぐためでした。
大変なことだと思いました。
当の本人は、ほぼ話の内容を理解していないので、
キョトンとしていましたが、静かにしてなきゃいけないのは理解したようです。
このまま肝臓の腫れが収まらない場合は入院とも言われました。
私の心の中は修羅場でしたが、
息子にわかるように笑顔で説明し、
なんとか大人しく過ごしてもらうようにしました。
それでも、登園できるようになるまで3週間ほどかかりました。
伝染性単核球症も自然に治癒する病気ですが、
肝臓に障害が出ている場合は、かなりの時間が必要になります。
その後もお腹がイタイと言われるたびに心配になったこともありますが、
もうすぐ6歳になる我が子は、便秘以外での腹痛を訴えることは少なくなりました。
もし、今、あなたがお子さんの体調で不安があっても、
大きくなるにつれて段々と解消されていきますから、
今を頑張ってくださいね。